■第三回 スリランカ(1)
スリランカは面積約65600km2で、北海道より少 し小さな島国である。インド亜大陸の南に漂うように、北緯5度55分から9度55分に位置する。島の南西部は湿潤なモンスーンの影響により、海岸地区
から高知まで雨量が多い(コロンボは約2500mm、 高地では3000mm)。南東部から北西部にかけては、雨が少なく、砂漠に近い乾燥地。北部は10月
から1月の北東モンスーンで雨が多くなる。
人口は約1600万人。紀元前5世紀頃、インドからシンハラ人が渡来し、先住のベッタ族を征服して大朝を開いた。
1948年2月、イギリス連邦の自治国セイロン、1972年には、国名をスリランカと改め、完全独立国となった。
1994年10月20日。旧首都コロンボ着。17時25分。成田を出発してから福岡経由約10時間半。
10月21日、午前9時出発。バスを仕立てて、北東に約120km、島の中央部にあたる古都キャンディ(カンデー)に向かう。道すがら広がる田園風景はヤシ林と水牛を除けば、全く日本の風景と変わらず、稲の育ちもよい。
ココヤシはイギリス時代からのプランテーションがある。コプラを輸出するほか、果実はカレー料理や飲料として利用されている。ココヤシの繊維も輸出され、上得意は日本で、日本での輸入量はスリランカが85%を占めている。洗車ブラシ、たわし、ほうきなどに加工され、日本の車のピカピカなもの、家の掃除が出来るもの、皆スリランカのおかげというわけである。業界で使われている「シュロ縄」のほとんどは、スリランカ産のヤシ繊維で、昭和四十年代以降、日本のシュロ繊維生産の減少と生産コストのかかげる高騰から、原料は次第に海外依存になったわけで、シュロ縄は厳密にいえば、ココヤシ縄ということになる。
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フィロデンドロン・ギガンテウム
メガスケパスマ
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